つなぐのは貴族も好む「最高位の色」ふりかけと『源氏物語』の高貴で優美な関係 (4/5ページ)
紫のひともとゆへに むさし野の草はみながらあはれとぞみる
これは、一本の紫草に対する愛おしさゆえに、武蔵野に生えている全ての草が愛おしい……という慕情を歌ったもの。もちろん紫草はひとつの比喩で、これは一人の人を愛するがゆえに、その人に縁(ゆかり)のある全ての人が愛おしく思えてくるという意味です。
この歌は「詠み人知らず」とされていますが、ここから、紫色=縁(ゆかり)というイメージが生まれたとされています。
有名な、三島食品のふりかけ「ゆかり」も、この歌が元ネタだそうです。
もともと、先述した紫草の根には、和紙に包んでおくと色が移るという性質があります。そのへんからも、紫色は、「想い人を自分の色に染めたい」という慕情とも結びつくようになりました。あるいはこうしたイメージが先にあったからこそ、先の歌も詠まれたのかも知れません。
高貴さ、憧れ、恋愛感情、懐かしさ、慕情……。紫色は、平安時代の『源氏物語』と、ふりかけまでをも橋渡しするほどの豊潤なイメージを含んだ色だったのです。
