研究が進めば進むほど、「男脳」「女脳」という脳の性差を証明できる証拠が乏しくなる (3/5ページ)
ただし、頭の大きさを同じくらいにそろえてしまうと、なんと6割に低下してしまったのだ。これではコイントスより少しマシな程度でしかない。
しかも、人工知能は、たとえばヨーロッパ人の結果から中国人の結果を予測するといったことも非常に苦手だった。
こうしたことは人間の脳に、男脳と女脳を区別できるような普遍的な特徴はないことを示しているとエリオット博士は述べている。
これまでデータが大規模になり、研究手法が向上すれば、脳に普遍的な性差があることがはっきりするだろうと考えられてきたが、皮肉にも、現実にはそれはますます小さいものであることがわかってきたのだという。
ではなぜ脳に性差があるという仮説がこれまで信じられてきたのだろうか?
エリオット博士によれば、それは「公表バイアス(出版バイアス)」のせいだという。公表バイアスとは、、否定的な結果が出た研究は、肯定的な結果が出た研究に比べて公表されにくいというバイアス(偏り)である。
すなわち、男と女では脳に違うがあるという主張のほうが、そうでないという主張よりも取り上げられやすかったのだ。
photo by iStock
・性差よりも個人差の違いのほうがずっと大きい
一方で、こうした発見に対しては、ポリティカル・コレクトネスのために科学を否定しているといった批判や、うつ病やアルツハイマー病といった女性に多い病気の研究者から何かを見落としているといった批判が寄せられる。