研究が進めば進むほど、「男脳」「女脳」という脳の性差を証明できる証拠が乏しくなる (1/5ページ)

photo by iStock
男は人に道を尋ねず、女は地図を読むのが苦手、その理由は男と女の脳に違いがあるからだ。というステレオタイプがある。
「男脳」「女脳」は一時期流行った説だが、実際は脳の研究が進めば進むほど、脳の性差を裏付ける証拠が乏しいことがわかってきているという。
MRIが発明されて以来、脳科学者は熱心に女性と男性の脳の違いを探し続けてきた。米ロザリンド・フランクリン医科大学の脳科学者リーズ・エリオット博士もその1人だ。
しかしvia=ihub" target="_blank" title=""30年におよぶ研究を経て、彼女がたどり着いたのは、脳の性差を証明する証拠は事実上ないという答えだ。
単純に大きさによって生じる違いを除けば、男女間で脳の構造や活動に意味のある差異はまったく見当たらず、片方の性別に特有とされる個性や能力の違いを説明できるような脳の違いもまるでないのだという。
・男女の脳、違いよりも共通点が多い
生物では、同じ種でもオスとメスでは大きく異なる特徴をそなえていることがある。
この「性的二形」が人間の脳にもあるという説は、じつに科学っぽく聞こえる。実際、動物の中には脳に性的二形が現れる種もいる。たとえばある鳥はさえずりを司る脳領域の大きさが、オスとメスで6倍も違う。
しかしエリオット博士は、このことは人間の脳には当てはまらないと説明する。
人間の場合、男性の脳は女性よりも11%ほど大きい。しかし、鳥のように特定の領域の大きさに不釣り合いなほどの違いがあるということはない。