研究が進めば進むほど、「男脳」「女脳」という脳の性差を証明できる証拠が乏しくなる (4/5ページ)
それでも数十年かけて集められた実際のデータを否定することはできないとエリオット博士は話す。そのデータが示しているのは、脳の性差はごくわずかなもので、個人間に見られる違いのほうがずっと大きいということだ。
たとえば、ある地域では10年前、数学と英語のクラス分けは学生の性別に基づいて行うべしとの指針が出されたことがある。しかし教師たちは、現実には男女間の成績の違いよりも、男子学生間あるいは女子学生間の成績の違いのほうが大きいと、これに反対した。
言い換えるなら、性別は個人の脳のタイプを示す指標としてはかなり不正確であるということだ。むしろ個人の脳には、女性性と男性性がモザイクのように入り混じった回路がそなわっている。
最近ではクィア、トランスジェンダー、ノンバイナリー(Xジェンダー)を自認する人が増えているが、これなども脳の構造だけで、さまざまな行動をある性別に特有のものなどと一括りにできないことを示す証左であるとのことだ。
ちなみに自分が男なのか女なのか、その認識はVRで異性の体を体験した程度でぐらついてしまうそうだ。