「杖をついて歩く父の前に、カップ麺の空容器。跨ごうとして転んだところを、通りすがりの男性に...」(東京都・50代女性) (1/2ページ)
家族と離れて暮らしていると、元気でいるか、いつも心配が尽きないものだ。
特に、高齢の親であれば些細なことが大きな怪我や病気に繋がりかねない。何かあったとしてもすぐに駆けつけられないかも......と不安を抱えている人も多いのではないだろうか。
離れて暮らす父に、見ず知らずのサラリーマンがとても優しくしてくれた――。
皆さんの思い出に残っている、「『ありがとう』と伝えたいエピソード」をJタウンネット編集部が募集したところ、東京都の50代女性Nさんから、そんなエピソードが届いた。
自宅まであと30メートルのところで...ガンを発症し、晩年は怪我も多く、入退院を繰り返していたというNさんの父親。娘とは、離れて暮らしていた。
心不全でこの世を去ったのは3年前。「自分史を書くぞ」と張り切っていた矢先のことだった。
「(入退院を繰り返していても)気持ちだけは前向きで、生前はサラリーマン時代の話から、尊厳死の話まで、私にいろいろ聞かせてくれて、いつも私を励ましてくれて、大好きな父でした」(Nさん)
足に骨肉腫が出来て手術をしていたため、杖をついて歩いていた彼は生前、よく1人で近所を散歩していたそうだ。

ある日のこと。いつものように散歩に出ていた彼は、自宅まであと30メートルといったところで、尻もちをついて転んでしまった。
「カップ麺の空の容器が落ちていて、それを杖をつきながら跨ごうとしてバランスを崩したようです。杖を使って歩く老人が一度尻もちをついたら、1人ではなかなか立ち上がれません」
Nさんの父親は、しばらくそのまま座りこむしかなかったという。
「今でもカップ麺の容器を見ると...」助けてくれたのは、通りすがりの男性。サラリーマン風の容姿だった。