植物が照明になる未来。光を蓄え、繰り返し充電できる発光植物が作り出される (1/3ページ)
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人工的な光でライトアップされた木々や植物はなんとも幻想的だが、近い将来、自ら光を放つ植物が町を明るく照らしてくれるかもしれない。
米マサチューセッツ工科大学で生み出された植物は、太陽やLEDの光を蓄え、自ら明るい光を放つことができるのだ。また連続して光を充電することもできる。
この技術を応用すれば、植物をベースにした生きた照明を作ることができるかもしれないそうだ。
・植物の組成に改変し「発光」する機能をつける研究
研究グループのマイケル・ストラーノ教授は、「植物ベースの照明へ向けた大きな一歩です」と語る。
ここ数年、ストラーノ教授は「植物ナノバイオニクス」に取り組んできた。植物にさまざまな粒子を組み込んで、新たな機能を獲得させる研究だ。
その最初の成果が、2017年に発表された光る植物だ。それはクレソンに発光酵素「ルシフェラーゼ」と生物発光の源である「ルシフェリン」のナノ粒子を組み込んだもの。このホタルの光源でもある化学物質のおかげで、クレソンは数時間も光を放つことができた。
ただし、発光クレソンの光は、文字を読むために必要な明るさの1000分の1というごく微弱なものでしかなかった。