リアルタイムでは見えていない。人が今見ているものは、過去15秒までの視覚情報をまとめたもの (1/4ページ)
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アクション映画の危険なシーンは、俳優のかわりにスタントマンで撮影されることがある。だが公開されたそのシーンを目にした観客が、俳優が入れ替わったと気づくことはほとんどないだろう。
一体なぜ誰もそのことに気がつかないのか? 言われてみれば不思議なこの現象の裏には、驚愕の事実が隠されているようだ。
カリフォルニア大学バークレー校の研究グループによると、私たちがたった今、目にしている世界はリアルタイムのものではなく、過去15秒までの視覚情報を脳がまとめたものなのだそうだ。
・視覚情報を処理するのは脳にとって大変な作業
普段意識することはないが、脳にとって「見る」という行為は、刻々と変化する膨大な視覚情報を処理せねばならない大変な作業である。
その大変さを味わうには、スマホをすぐ目の前に掲げつつ、歩きながら周囲にあるいろいろなものを動画で撮影してみよう。出来上がった映像は目まぐるしく変わる乱雑なもので、それを観ているととても疲れてくるだろう。
あるいは以下の次の動画を見てみよう。画面右側の白い円は眼球の動きを表し、左側は眼球に映った風景を表す。視線があちこちに跳び回るおかげで、眼球に映る風景も瞬間瞬間に切り替わる。脳が処理しているのはそうした視覚情報だ。
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Visual (In)stability・脳は過去15秒の視覚情報をまとめて認識している
こうした目まぐるしく変化する膨大な視覚情報を安定して処理するために、脳はあるトリックを考案した。
目に映った風景をリアルタイムで私たちに知覚させるかわりに、過去15秒の平均をまとめて、それを「見た」と知覚させるのだ。