愛娘を喪った悲しみ…カタブツ平安貴族・藤原実資が「かぐや姫」と呼んで愛した藤原千古。その名の理由は? (1/5ページ)
古今東西、我が子を溺愛する親は絶えないもので、あふれんばかりの愛情が呼び名に表れることも少なくありません。
今回はそんな一人、平安時代に生きた藤原千古(ふじわらの ちふる)を紹介。父親の藤原実資(さねすけ)は彼女を「かぐや姫」と呼んだと言います。
……生まれたまへりける女君、かくや姫とぞ申しける……
※『大鏡』より
輝ける夜の姫君……『竹取物語』のヒロインとして有名な彼女。それほどの眩(まばゆ)さだったのかはともかく、実資が彼女をこよなく愛したことは間違いないでしょう。
かの悪名?高い「この世をば……」で知られる藤原道長(みちなが)の専横を批判するなどカタブツな印象の実資が、なぜここまで娘を溺愛したのでしょうか。
それには、実資の哀しい過去があったのです。
愛娘を喪った悲しみに、血の涙を流した実資実資には、千古より前にも娘がいました。
しかしその女児は、正暦元年(990年)7月11日に亡くなってしまいます。生まれた年は不明ですが、その時点で7歳未満でした。