神さま仏さま泰時さま!天下の名宰相・北条泰時が飢饉に苦しむ領民を救ったエピソード【鎌倉殿の13人】 (5/7ページ)

Japaaan

もし今年が豊作であったとしても、改めて返せとは申しません」

泰時はさらに一人あたり一斗(約15キロ)の米をお土産に持たせたと言います。負債を帳消しにしたばかりか、生活支援の米まで配るとは……領民たちは感謝感激、神さま仏さま泰時さま……とばかり手を合わせたということです。

「……話は分かった。しかし、なぜそうした?」

10月10日、鎌倉へ戻ってきた泰時は、義時に訊ねられました。我が家だって決して楽ではないのに……恨みがましい義時に、泰時は答えます。

「はい。領民たちに返済能力がない以上、いくら取り立てようが返って来ないからです。それでも強引に取り立てようとすれば、彼らは逃げ出して我らが悪評を各地へばらまくでしょう。それよりは気持ちよく帳消しにしてやった方が領民の信頼を得られます」

「なるほど。では、一人一斗の米を与えたのは?」

恩を売るなら、気前よく(イメージ)

「もちろん債務の帳消しだけでも十分に太っ腹とは思いますが、さらに生活支援の米を与えることで恩を売り、彼らの逃亡や犯罪を防ぐ効果が期待できます」

「ふむ」

「恩を売られた相手は、こっちが思っているほど恩を覚えていないもの。せっかく恩を売っても、中途半端ではすぐに忘れられて売り損です。そこで此度はこれまでにない恩を大盤振る舞いしたのです。

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