病原体が海を浮遊するプラスチックゴミで繁殖し、世界中に広がっている可能性 (3/5ページ)
例えば「プラスチック圏(plastisphere)」という言葉を考案したオランダの微生物学者リンダ・アマラル=ゼットラー氏は、プラスチックは海にある普通の物体とは別物であると指摘する。それは頑丈で、大抵は浮かぶ。だから遠くまで移動する。
実際、2011年の東日本大震災では、日本から流れ出したごみがアメリカ西海岸に大量に打ち上げられた。そのとき、ごみに付着したものが一緒に運ばれたとしてもおかしくはない。
また別の実験によって、陸上で一般的な病原性寄生虫が海中でも死なず、海洋哺乳類に感染するらしいこともわかってきたという。
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トキソプラズマ、クリプトスポリジウム、ジアルジアといった寄生性原虫は、海中のマイクロプラスチックにも付着する。
だとすれば、こうした寄生虫が海で増殖する場所・時期・方法も変化しているかもしれない。