鎌倉と朝廷の二重スパイ!?生田斗真が演じる源仲章の人違いエピソード【鎌倉殿の13人】 (3/6ページ)
やんごとなき雅やかオーラが気に入られたのか、将軍御所の近くに館を与えられた仲章は実朝に都文化の薫陶を与える一方で朝廷に鎌倉の内部機密を伝えるなど二重スパイであったとの説もあるとか。
もちろん実朝の母である尼御台・政子(演:小池栄子)や叔父であり執権の北条義時(演:小栗旬)がこれをただ見逃すはずもなく、ある程度は鎌倉の情報を流しつつ逆に都の情報を引き出すなど、水面下での暗闘があったものと考えられます。
何食わぬ顔で鎌倉と京都を行き来しながら建保4年(1216年)には政所別当(長官に当たるが、複数名で職務を分担)となり、また建保6年(1218年)には幕府より従四位下・文章博士(もんじょうはかせ)に推挙されて昇殿を許される殿上人となりました。
もしずっと京都にいたら、果たしてここまでの立身出世は成ったでしょうか。きっと得意の絶頂であった仲章、しかし彼の運命はよくも悪くも実朝と共にあったのです。
広元の目にも涙さて、年も明けて建保7年(1219年)1月27日。仲章は実朝の鶴岡八幡宮寺参拝にお供します。
「ん?覚阿よ、いかがした」
覚阿(かくあ)とは出家した大江広元(演:栗原英雄)の法号(以下、広元)。鬼の目にも涙と言ったら失礼ですが、どういう訳か涙があふれて止まらない様子。実朝の問いに、広元は訴えました。