鎌倉と朝廷の二重スパイ!?生田斗真が演じる源仲章の人違いエピソード【鎌倉殿の13人】 (6/6ページ)

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退去給……

建保7年(1219年)1月27日、鶴岡八幡宮寺への参拝当日。太刀持として実朝の側に従っていた義時は、にわかに心神に違例(不調)を訴え、仲章に役目を代わってもらいました。

そこへ公暁がやって来て「実朝の側にいるのがにっくき執権・義時に違いない」と勘違い。まとめて殺してしまったということです。

『鎌倉星月夜』より「禅師公暁実朝公を討図」。左にうずくまって太刀を抜こうとしているのが仲章か。あるいは既に仰向けで倒れている男(公暁の左足元)か。

……仲章ガ前駈シテ火フリテ有ケルヲ義時ゾト思テ。ヲナジク切フセテコロシテウセヌ……
※『愚管抄』第六巻

【意訳】仲章が実朝を先導して松明をかかげているのを義時だと思って、実朝と同じく斬り殺して逃走した。

このことから、実朝暗殺の黒幕(真犯人・首謀者)が義時に違いないとする説も提唱されますが、自分に都合のよい後継者さえ確保できていない状況下での暗殺は愚策以外の何物でもありません。

実朝暗殺の黒幕については別稿に委ねるとして、実朝の側近として活躍した源仲章の活躍・暗躍をNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ではどのように描き上げるのか、生田斗真さんの演技に注目ですね。

※参考文献:

五味文彦『吾妻鏡の方法 事実と神話にみる中世』吉川弘文館、2000年11月 坂井孝一『源氏将軍断絶 なぜ頼朝の血は三代で途絶えたか』PHP新書、2020年12月 坂井孝一『源実朝 「東国王権」を夢見た将軍』講談社、2014年7月

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