「どうする家康」名門今川家、ついに滅亡!最後に残されたのは…第12回放送「氏真」振り返り (6/8ページ)
しかしせっかくそういう設定を入れるのであれば、もう少し氏真との関係(今まで労りもしなかった氏真が反省する等)を丁寧に描いて欲しかったところです。
ちなみに『勝山記』では氏真と糸の結婚について、実に晴れがましく記録していました。
……駿河の屋形様へ相州屋形様の御息女を迎い御申し候、御供の人数の煌めき、色々の持ち道具、我々の器用ほど成され候、去るほどに見物、先代未聞に御座有る間敷く候、承け取り渡しは三島にて御座候、日の照り申し候事は言説に及ばず、余りの不思議さに書き付け申し候……
【意訳】氏真(駿河の屋形様)が北条氏康(相州屋形様)のご息女をお迎えした。その素晴らしさはお供の者たちや嫁入り道具まで煌めくようで、街道に見物客があふれ返る様子は前代未聞である。
ご息女のお引渡しは両家国境の三島で行われ、その瞬間に今まで曇っていた空が一気に晴れ渡り、太陽が照りつけたのは奇跡としか言いようがなかった。
今川家中にとって、糸の嫁入りがどれほど喜ばしいことであったか、きっと氏真だって満更じゃなかったはずです。
落ちぶれた後もずっと寄り添い続け、慶長18年(1613年)に先立つまで添い遂げた戦国きってのおしどり夫婦。そんな二人の愛情が、今回芽生えたものと信じます。
なお彼女は1女4男(吉良義定室、今川範以、品川高久、西尾安信、澄存)を生み、名門の誇りと血脈を後世へつなぐ役割を果たしたのでした。
その他、野暮なこと諸々「余は何一つ事をなせなかったが……妻一人を幸せにしてやることなら……できるやもしれぬ」
そう言って糸と寄り添いながら退場していく氏真。それが一番難しいんじゃ解ってンのか、など既婚者として言いたいことはありますが、野暮はこの辺にしまして。
にしても回想シーンの多い脚本ですね。後付けで「実はこんな事があったのだ」と言われても、視聴者としては「それを一緒に体験していないから、いきなり言われても感動できないよ」と戸惑ってしまいます。