【約27万件のストレスチェックデータから、はたらく人のストレスを悪化させる要因を分析】テレワークなど新しい働き方に適応するために必要な取り組みとは (5/9ページ)

バリュープレス

これまでのモチベーションについての研究では、人はある行動が特定の結果を生むかどうかの期待である結果期待と、自分がその行動をできると思うかどうかである効力期待によって、モチベーションが左右されることが示されています。

例えば、 「職場内のコミュニケーションの工夫で良いチームがつくれる」 というのは結果期待ですし、「自分は、頻回な1on1ミーティングなどの工夫を通じて、職場内のコミュニケーションを活性化させられると思う」というのは効力期待です。これらの期待が揃うことで、人はモチベーション高く仕事に取り組めると考えられています(図6)。また、困難な状況に際しどんな行動をしても想定した結果を得ることができず、「どうせやっても無駄だ」という信念が学習されてしまう(=結果期待が低下してしまう)ことで意欲が低下する現象のことを学習性無力感と呼びます。この学習性無力感は、慢性的な抑うつ状態を説明する理論モデルの一つです。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSMxODI0MiMzMTYzODYjMTgyNDJfWVJ1dkRjQWtDZS5qcGc.jpg ]
【図6】期待理論モデル(Bandura, A. (1997) (※3)を参考にピースマインドが作成

これらの現象や理論を今回の分析結果に当てはめてみると、テレワークなど新しい働き方のもと、業務上の難しさが生じても、職場として各自の価値観や裁量が認められていたり、失敗を認めるような風土があることで、各自がそういった環境への適応方法を模索できると思われます。そして、業務上の難しさが生じている環境への適応方法を主体的に模索できることで結果期待が高まり、心理的ストレス反応へのネガティブな影響が軽減された可能性が考えられます。

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