うつ病患者の脳内信号を磁気刺激で逆転させることで治療効果が得られることが判明 (1/3ページ)

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うつ病患者の脳内信号を磁気刺激で逆転させることで治療効果が得られることが判明
うつ病患者の脳内信号を磁気刺激で逆転させることで治療効果が得られることが判明

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 米スタンフォード大学の研究チームが、重いうつ病患者の脳内信号の流れを逆転させることで治療効果が得られることを発見した。

 強力な磁力(磁気パルス)で頭皮から脳を刺激して、治りにくいうつ病を治療する「経頭蓋磁気刺激(TMS)」治療法は以前から存在し効果を上げていた。だが、そもそもなぜこの治療法が効くのか、これまで謎に包まれていた。

 今回『PNAS』(2023年5月15日付)に掲載された研究では、そのメカニズムが明らかにされている。

 うつ病患者の多くは脳内信号が、誤った方向に流れているのだそうで、磁力刺激でその流れを逆転させることで効果が発揮されるという。

 これは重いうつ病の根本的な治療につながるほか、その診断に役立つバイオマーカー(生物学的指標)としても利用できる可能性があるとのことだ。

・うつ病患者は脳内信号が逆転している
 今回の発見は、2つの最先端ツールの成果だ。

 1つは、「スタンフォード神経調節療法(Stanford neuromodulation therapy)」。これは、高性能な脳イメージング技術が組み込まれており、個人の脳にあわせて磁気刺激をすることができる。

 もう1つは、そうしたfMRIで撮影された脳の活動を詳細に分析する数学的ツールだ。このツールは、脳の各領域が活性化するわずかなタイミングのズレを手がかりに、脳内信号(シグナル)の流れを明らかにすることができる。
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