ビール瓶に発情しすぎて、あやうく絶滅の危機となったニセフトタマムシの本当にあった話 (3/5ページ)

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 もうこれは、単なる行動パターンというより、使命といってよかった。いったいなぜ、ニセフトタマムシは、このビール瓶に入れ込んでいるのだろうか?

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・ビール瓶の底がオスにとっては超セクシーなメスに見えていた
 まさか、ビールが飲みたいわけではないだろう。オスたちは、瓶の注ぎ口のほうではなく、底に近いほうに群がっていたのだから。しかも、長い間放置されたビンはすっかり乾ききっていた。

 答えは、ニセフトタマムシのメスの姿を見ると明らかになった。

 オスよりも体がかなり大きいメスは、ゴールドがかった茶色をしていて、しかも重要なのは、メスの体が小さなボツボツに覆われていることだ。

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 実は、タマムシのこの奇妙な行動が観察された1980年代当時の、スタビーのビール瓶も、大きく、ゴールドがかった茶色で、底に近いほうに小さなボツボツが並んでいて、メスの体そっくりだったのだ。

 グウェンとレンツは、明らかにオスたちは、ビール瓶とメスを区別できなかったと論文に書いている。ちなみにこの論文は2011年にイグ・ノーベル賞を受賞した。

 オスたちは、自分たちが魅力的なメスと交尾しているとすっかり信じ切っていたのだ。というか、自分たちの本能の配線がそう彼らに告げていたのだ。
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