ビール瓶に発情しすぎて、あやうく絶滅の危機となったニセフトタマムシの本当にあった話 (1/5ページ)

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ビール瓶に発情しすぎて、あやうく絶滅の危機となったニセフトタマムシの本当にあった話
ビール瓶に発情しすぎて、あやうく絶滅の危機となったニセフトタマムシの本当にあった話

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 オーストラリアに棲息するタマムシ科の甲虫の一種、ニセフトタマムシのオスにはちょっとした黒歴史がある。

 彼らは茶色の光沢があってボツボツとしたくぼみのあるメスを魅力的に感じるのだそうだが、当時オーストラリアで飲まれていた「スタビー」というビールの瓶が、まさにその条件を満たすものだった。

 そのビール瓶を人間がポイ捨てすると、ニセフトタマムシのオスたちは、「超セクシーなメスがいるぜ!」と勘違いして交尾を試みようとするようになったのだ。

 この意図せぬ「ビールボトル効果」により彼らは絶滅の危機に追い込まれる。ここではそんなニセフトタマムシの歴史に迫ってみよう。
 

・若い生物学者がビール瓶から離れようとしない甲虫を発見
 それは1981年の9月始めのことだった。西オーストラリア州では春の季節だ。

 ふたりの若い生物学者、ダリル・グウィンとデヴィッド・レンツは、野外調査旅行に出て、高速道路近くの土の道を歩き回って、昆虫を探していた。

 すると、捨てられたビールの空き瓶が地面に転がっているのに気がついた。当時、通りがかりのオーストラリア人が、車の窓からビール瓶を投げ捨てることはよくあることだった。

 それは、オーストラリアでスタビーと呼ばれる、370ミリリットル入りのずんぐりした茶色のビールの小瓶だった。

 ふたりが近づいてよく見てみると、瓶の下のほうになにやら、ぶら下がっているものが見えた。それは甲虫で、懸命に瓶にくっついている。

 振り払おうとしても、落ちない。死んでも離さないというような固い意志がうかがえた。
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