ビール瓶に発情しすぎて、あやうく絶滅の危機となったニセフトタマムシの本当にあった話 (4/5ページ)

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・生物たちの進化の罠
 これは、生物学者たちが、"進化の罠"と呼ぶものだ。

 鳥、亀、蛾、甲虫、あらゆる種類の生物の本能は、自然界の特定の合図に反応するように配線されていて、人間が作り出した人工物に出くわすと、混乱してしまい、こうしたことが起こるという。

 彼らは子孫を作ろうと、正しいことをしているのに、結局はガラスにスリスリするだけで何時間も過ごすことになってしまっているのだ。

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Tiny Beasts - Part 1 Jewel Beetle・ビール会社がビール瓶を変えたことで彼らの受難は終わりを告げる
 当時このビール瓶がポイ捨てされたことで、交尾を試みる多くのニセフトタマムシのオスたちは、 無為な交尾に時間を浪費したあげく、オーストラリアの灼熱の太陽の下で死んでしまうことが多かった。

 さらにはアリにより生殖器を食い取られ、子孫も残すことができない体になってしまった個体も多い。それでも彼らはビール瓶に執着した。

 このままでは個体数が減少し、絶滅の危機が迫ってくる。

 だが幸いなことに、タマムシくんたちの受難も終わりを迎えた。

 オーストラリアのビール会社が、ビール瓶がタマムシたちに悪影響を与えていることを知り、瓶の形状を変えることを決めたのだ。

 瓶の下部の小さなボツボツは取り除かれて滑らかになった。すると、オスたちは瓶にまったく興味を示さなくなり、オーストラリア西部での彼らの生活は正常に戻った。
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