「どうする家康」武田勝頼、見事なり…え?第22回放送「設楽原の戦い」振り返り (3/7ページ)
ホントに踊った「海老すくい」
……長篠の前竹廣村の弾正山に御陣をすえられけるに。御家人等武田の猛勢を聞おぢして。何となく思ひくしたる様を見そなはし。酒井左衛門尉忠次をめしてゑびすくひの狂言せよと命ぜらる。忠次かしこまりつと立て舞けるが。兼ての絶技なれば一座の者みなゑつぼに入て哄と笑ひ出しにより。三軍恐怖の念いつとなく一散してけり。……
※『東照宮御実紀附録』巻三「長篠役酒井忠次舞海老すくひ」
♪え〜び〜すくい、海老すくい……♪
死を覚悟した忠次が、みんなを励まそうとにわかに踊り出した海老すくい。
井伊万千代(演:板垣李光人。井伊直政)の「何この人たち。正気なのか?」とドン引きしていた様子が印象的でしたね。
社会人経験が長くなると「あぁ、ここはそういう職場なんだな」と合わせられるものですが、いきなり踊り出すのは驚きますよね。
しかし、武田との決戦を前に忠次が海老すくいを踊ったエピソードは『徳川実紀』に記されています。
三方ヶ原合戦(元亀3・1572年12月22日)で武田の恐ろしさが骨身に沁みていた徳川勢。