岡田阪神セ・リーグ制覇!猛虎復活「18年の激闘」秘話20【画像】タイガースV逸の歴史 (2/5ページ)
■「巨人の単独指名は胸クソが悪い」
「巨人の単独指名は胸クソが悪いと、浅野翔吾に競合を挑んだ“先制パンチ”からして、岡田さんらしい。むろん、右の外野手として補強ポイントに適う森下翔太(23)という“プランB”も準備したうえでの仕掛けですから、用意周到です」
その森下の指名にも、岡田監督の深謀遠慮が見える。
「したたかな岡田さんのことだから、森下が原(辰徳)監督の後輩に当たる東海大相模の出身、というところも織り込み済みだったのではないでしょうか」(前同)
■中野拓夢、大山悠輔&佐藤輝明“改革”の効果
一方、その岡田監督が就任早々に打ち出した改革が、正遊撃手である中野拓夢(27)の二塁手転向と、打線の核たる大山悠輔(28)&佐藤輝明(24)のポジション固定だった。とりわけ、現役の侍戦士・中野の転向は、一部では「いい遊撃手が獲得できるならトレードもやむなし」とも報じられるなど、周囲をザワつかせた。
それら“改革”の効果を、阪神OBでもある野口寿浩氏は、こう分析する。
「失策数自体は依然、多いですが、致命的なエラーは目に見えて減っています。送球に難のあった中野の二塁手転向は、そういう意味でも大成功。一塁手の大山は、かねてから守備には定評がありましたし、空いた遊撃手を木浪聖也(29)と小幡竜平(22)に競わせたことで緊張感を生むこともできた」
野口氏が指摘するように今季も失策数はリーグワーストながら、併殺数は同トップへと浮上するなど、全体としては改善傾向。
加えて、遊撃手で台頭した木浪の“打撃開眼”が、喫緊の課題だった得点力の大幅アップにもつながった。
「木浪が“恐怖の8番”としてレギュラーに定着したことで、彼が出塁して、不動のリードオフマン、近本光司(28)が返す、という新たな得点パターンが確立できた。