大河「べらぼう」蔦屋重三郎の夢を支えた『男気』〜浄瑠璃の馬面太夫と富豪の鳥山検校〜【後編】 (3/8ページ)
音楽・演技・物語の融合による芸術性の高さがありながら、庶民の生活感情に寄り添い共感できるような内容が結びつき、江戸時代の文化の中で独自の地位を築いたそうです。
「音を聞き舞台を観て、非日常的なドラマの中に入り込み、辛い日常を一時的にでも忘れたい」そんな感情は、現代人でもまったく同じですね。
スターを応援する「推し活」は江戸も令和も同じ生の太夫の美声や芸を目の当たりにして、その実力や世界観に圧倒される蔦重。さらに、出待ちには多くのファンが押し寄せ、圧倒的なスターの輝きを放つ太夫の姿を見て、エンターテイメンの持つ力に初めて震えたのではないでしょうか。
ファンの女性たちが手に手に持っていた「団扇」には「桜草の紋」(太夫が舞台で来ていた裃に入っていた紋)が入っていました。「推しの団扇」を持って応援する文化は現代でも続いているのだな……と、非常に身近に感じるシーンでしたね。
感動そのままに体当たりで、太夫に「俄祭り」への出演を依頼するも、太夫は昔吉原と一悶着あったため「吉原は好かねぇんだよ」と一蹴します。
剣もほろろの馬面太夫との仲を取りもってもらうため、当時浄瑠璃の元締めだった鳥山検校(市原隼人)の家を訪れる蔦重。そこで鳥山検校の妻となり「瀬以(せい)」と名前を変えた瀬川(小芝風花)と再会します。