大河「べらぼう」蔦屋重三郎の夢を支えた『男気』〜浄瑠璃の馬面太夫と富豪の鳥山検校〜【後編】 (5/8ページ)
初めての浄瑠璃に涙する遊女たちと男気を見せる太夫
蔦重は、遊女かをり(稲垣来泉)の「芝居なんか観たことない」という言葉にヒントを得て、嘘を付き富本豊志太夫と市川門之助(濱尾ノリタカ)をある座敷に招き、非礼を詫びます。
騙して呼び出された彼らは帰ろうとしますが、襖を開けると隣の部屋にはずらりと遊女や禿たちが並んでいました。「ほんの少しでいいんで、女郎たちに富本を聴かせてもらえませんか」とお願いする蔦重。
居並ぶ彼女たちの願いを断って帰るなど野暮なことはしない太夫と門之助は、彼女ために即興で座芸を見せます。目の前で初めて鑑賞する浄瑠璃に、涙を流す遊女たち。
豊志太夫の語りと門之助の素踊りを心震わせながら鑑賞する遊女たちとともに、吉原での「籠の鳥」状態の日々のシーンがかぶります。きれいな着物を着ていても、好きでもない男に体を売る辛い日々。そんな厳しい現実をわずかな時間でも忘れられたでしょうか。