大河『べらぼう』着実に成長する蔦重、俄かに起こる神隠し…3月23日放送の解説&堪能レビュー! (4/8ページ)
歌舞伎や獅子舞、締めくくりはみんな揃って花笠踊り……人と我との隔てなき俄祭り。ひと月限りの憂さ晴らしを、皆さん大いに堪能したことでしょう。
喜三二先生の書いた『明月余情』序文
花笠を舞わして張り合う大文字屋。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
俄祭りの熱狂ぶりを、鮮やかに描き出した『明月余情』。晴れわたる月明かりの下で繰り広げられた祭りの熱が伝わってくるような勝川春章の絵筆に、人々は吉原遊廓へ惹きつけられました。
ここで言う余情とは、祭りの後に残る情緒のこと。感情的な余熱や余韻とも言えるでしょう。
まずは喜三二先生が筆を奮って下さった『明月余情』序文を紹介したいと思います。
序
鳥が啼(なく)東乃華街(いろざと)尓(に)速戯(にわか)を翫(もてあそ)ぶことハ往じ(いんじ)明和のはじ売(初め)。祇園囃(ぎおんばやし)雀踊(すずめおどり)奈ど其萌(そのきざし)阿りし尓因て仝(おなじ)四つのとし亥(ゐ)乃秋にして初(はじめ)を起せり。厥后(そののち)中絶たるを。去々歳(おととし)不図(ふと)再興阿り■く程去年(こぞ)尓継り。■(その)賑ひ年を追て盛(さかん)尓趣向倍興■(ますますきょうあり)。