全文読まなきゃ勿体ない!伝説の海軍参謀・秋山真之の文才が光る「聯合艦隊解散之辞」の現代語訳を紹介【坂の上の雲】 (6/7ページ)

Japaaan

思うに武人の一生というものは、生まれてから死ぬまで絶えず戦場にいるようなものだから、戦争があろうとなかろうと責務が軽くなったり重くなったりすることはない。

有事に臨んでは武力を発揮し、平穏無事なら武力を修養し、終始一貫して軍人たる(祖国の平和と独立を守る)本分を尽くすだけである。

この一年半というもの、風や波と戦い、寒さや暑さに耐え抜き、しばしば強敵と対決して生死の狭間をくぐり抜けたことは、もちろん容易なことではない。

しかし考えてみれば、これらの体験は長きにわたる一連の大規模演習のようなものである。この絶好の機会を得て多くの知恵と経験を得たことは、武人として比べようのない幸せと言えるだろう。どうしてこれを戦争の苦労だなどと思うであろうか。

いやしくも武人たる者、平和をむさぼるようなことがあってはならない。そのようにたるんでいては、どれほど立派な装備を揃えていようと、まるで砂上の楼閣みたいなもの。暴風が吹き荒れれば、たちまち崩れ去ってしまうであろう。誠に自戒しなくてはならない。

その昔、神功皇后が三韓征伐によって朝鮮半島の国々を4世紀余にわたり従えてきたが、ひとたび海軍が衰えると、たちまち支配権を失った。

また江戸時代に入り、徳川幕府は平和に慣れすぎて武備を怠った結果、黒船が数隻来ただけで国を挙げて大騒ぎする始末。またロシアが千島列島や樺太を狙っているにもかかわらず、これに対して何ら有効な対策を講じられなかった。

ひるがえって西洋の歴史を見ると、19世紀の初め頃、ナイル川やトラファルガーの海戦でフランス海軍を撃破した英国海軍は、祖国に泰山のような安定感をもたらし、それだけでなく海軍力を後代に伝えて世界の進歩に遅れず、今日に至るまで英国の利益を護り、国権を伸ばした。

このような古今東西の教訓は政治の道理を示すものであると言えども、主として武人が治にあって乱を忘れていないかそうでないかに基づく自然の結果でないものはない。

我ら戦後の軍人は、深くこれらの実例に鑑み、既に備えた実力を更に鍛えるため、今回の戦争を通して得た実体験をもって、更に将来的な進歩を図り、世界情勢の発展に後れをとらないないよう努めなければならない。

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