全文読まなきゃ勿体ない!伝説の海軍参謀・秋山真之の文才が光る「聯合艦隊解散之辞」の現代語訳を紹介【坂の上の雲】 (7/7ページ)
常に天皇陛下のお言葉を奉り、日々努力し、実力を養いこれを発揮すべき時が来たら、日本を護る大任をまっとうできるよう希う。
天の神様はただ、日頃から訓練を重ねて戦う前から既に勝っている者に対して勝利の栄冠を授ける。これと同時に、一勝に満足して平和を貪る者からは、ただちに勝利を奪い去る。
昔の人も言ったではないか。「勝って兜の緒を締めよ」と。
明治38・1905年12月21日 連合艦隊司令長官 東郷平八郎
「聯合艦隊解散之辞」用語解説 至尊ノ靈徳(しそんのれいとく):天皇陛下の御威光。 豈(あに):どうして~だろうか。 偸安(とうあん):目先の快楽をむさぼること。 沙上ノ樓閣(さじょうのろうかく):砂上の楼閣。 神功皇后(じんぐうこうごう):三韓征伐で有名な応神天皇の母。 米艦數隻(べいかんすうせき):ペルリによる黒船来航。 覬覦(きゆ):分不相応な野望。侵略の企み。 ナイル:英国海軍のネルソン提督がフランス海軍を撃破した海戦。 トラファルガー:同じく。 泰山(たいざん):中国大陸の聖山。その威容から安定感を象徴する。 殷鑑(いんかん):殷王朝が滅亡した故事、歴史の教訓。 聖諭(せいゆ):聖なるお言葉。天皇陛下の詔(みことのり)。 奉體(ほうたい):深く承って心身に銘じること。 孜々(しし):たゆまぬ様子。 神明(しんめい):至高の存在。天照大御神(あまてらすおおみかみ)。 戰ハヅシテ既ニ勝テル者:『孫子』謀攻編より。なかなか現代では馴染みの薄い、堅苦しい言葉がビッシリと並んでいますね。
見るからに読みにくそうで、つい敬遠してしまうのも解らなくはありません。
しかし読んでみると、明治日本人の気高さと品性に少しでも触れられるようで、えも言われず気分が高揚するものです。
なので、よかったら少しでも読んでみるのも一興でしょう。
終わりに今回は秋山真之が起草した「聯合艦隊解散之辞」を紹介させていただきました。
天の神は平和に甘んじ、貪る者からこれを奪う。平和と独立は決してタダではないことを、現代の私たちに訴えているようです。
明治人の品格と誇り、そして平和を求め続けた闘いを偲ばせる名文として、末永く伝えられていくことでしょう。
※参考文献:
半藤一利ら『日本海海戦かく勝てり』PHP研究所、2004年3月日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan