「べらぼう」なぜ田沼意次(渡辺謙)は徹底的に排除された!?理由を江戸幕府の政治理念から考察【前編】 (3/7ページ)
また、生まれつき脳性麻痺だったといわれる父・家重の血を引く自分には、たとえ子どもが生まれても無事に育つか分からない。その悪しき因縁をここで絶つ、という決意でもありました。
そのうえで家治は次代の将軍に対し、「血筋は譲る。でも知恵は譲りたくない」と言い放ちます。
実はこの「知恵は譲りたくない」という台詞こそが、これからの「べらぼう」において幕府サイドの重要なキーワードになると思われるのです。
意知暗殺事件後も衰えを見せない意次の権力家治の言う「知恵は譲りたくない。」の「知恵」とは、何を指しているのでしょうか。彼は、父・家重の政治が持ちこたえたのは、田沼意次、松平武元(石坂浩二)、大岡忠相という三人の存在があったからだとし、彼らを自分の「知恵袋」と語っています。
しかし、ドラマにおけるこの時点では、三人のうち健在なのは田沼意次ただ一人。したがって、「譲りたくない知恵袋」とは、意次その人を指していると考えて間違いないでしょう。