日本最古の悲恋・十市皇女と高市皇子の純愛をさまざまな角度から考察!幼馴染みから政治の犠牲に…【中編】 (8/8ページ)

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どのような言い訳をしたとしても、高市は十市にとって最愛の夫を死に追いやった張本人にほかならなかったのです。

明日香浄御原宮推定地(撮影:高野晃彰)

飛鳥に戻った十市に対し、高市は単なる恋愛感情を超えた深い想いを抱くようになります。そんな高市に、十市もまた心惹かれるものがあったのでしょう。

しかし、彼女はその想いを懸命に抑えたのではないでしょうか。そしていつしか、高市と十市の間には、苛烈な戦乱を生き抜いた者にしか共有し得ない、深い感情の交差が生まれたに違いありません。

高市の十市への挽歌からは、姉の人生を不幸に貶めてしまったことに対する、彼自身のこの上ない痛恨の情が読み取れるのです。

では【中編】はここまでとしましょう。最終回の【後編】では、2人が永遠の眠りにつく奥津城についてお話ししましょう。

※参考文献
板野博行著 『眠れないほどおもしろい 万葉集』王様文庫 2020年1月

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