『べらぼう』差別に挑む蔦重の覚悟!「本」への想いが魂でつながった蔦重とていの心情を考察【後編】 (6/8ページ)
けれども、いきなり「ザ・ビジネス」なオファーで、しかも「女やもめに花が咲くと言われるなら、ひと花咲かせましょう」などと、悪気はないものの、まったくデリカシーのない直球を投げ、逆に怒らせ「どんなに落ちぶれようと、吉原者と一緒になる気はありません」とバッサリ拒絶されてしまいます。
りつに、元の夫と同じ「女やもめの寂しさにつけこむ吉原者」扱いされるのも当然だと言われて、自分のミスに気が付く蔦重。
べらぼうなプロポーズ大作戦は大失敗に終わるのでした。
お互いに出会うべくして出会ったソウルメイト同士けんもほろろに厳しい表情で、蔦重のオファーを断ったてい。けれども、「丸屋」の暖簾を畳んだりふとした瞬間に「一緒に本屋をやりませんか?」「女将さん、本当は店続けててえんじゃねえですか?」という言葉を思い出します。
それもそのはず。筆者としては、丸屋売却にあたり、鶴屋を筆頭に日本橋本屋の旦那衆誰一人として、ていの「丸屋を続けたい」という気持ちをないがしろにしていたように感じました。
本をこよなく愛するていが元夫に騙され、大切な本と本屋を手放さざるおえないという心情に、誰も寄り添っていないという感じも。