『べらぼう』 ”エンタメの奇跡”で暴動が収束も…新之助の死に苦しむ蔦重を救い出した歌麿【後編】 (3/7ページ)
長い友人で、自分を見捨てずに住まいや仕事を世話してくれていたことに恩を感じていたとは思いますが、やはり荒れた世の中だからこそ必要な「世を明るくする男、蔦屋重三郎」という男の命を自分は守れたのだ、そのために生まれてきたのだ……という思いが切なかったですね。新之助には幸せになって欲しかった。
自分のせいで友人を死なせてしまった蔦重の慟哭新之助の行動と死は、蔦重にとっては大きな痛手でした。平賀源内(安田顕)も、瀬川(小柴風花)も救うことができなかった……その思いを忘れずに胸に残している蔦重。だからこそ、源内の「書を持って世を耕す」「思いを文字にして伝える」や、瀬川の「めぐる因果は恨みじゃなくて、恩がいい」が、いつも息づいているのを感じる場面は多かったですよね。
けれど、今回は、人を唸らせる名プロデューサーらしい発想で「エンタメの力」で暴動を収めることに成功したものの、一方では、大切な人を死に追いやってしまうことに。新之助の最後、蔦重の慟哭は身と心の置き所を失ってしまった人間の叫びでした。