『べらぼう』書をもって世に抗う!ふんどし野郎(松平定信)の締め付けに抵抗する蔦重の戦い【後編】 (6/10ページ)
最初、おずおずと踊りつつなかなか“屁踊り”の輪には入れない姿は、まるで大縄跳びには入れない子どものようでした。けれども、緊張の面持ちで、やっと輪に入ったかと思ったら思い切り「屁!屁!」と声を張って踊っていたのが、実に微笑ましかったですね。
「二度と店を潰すのはゴメンだ」と言っていたとしても、定信の言うとおりに従い質素倹約に励み遊びや贅沢はせず禁欲しているだけでは、エンタメや本の魅力はなくなり人々は買わなくなり当然客足も遠のき、結果店が潰れることになるという蔦重の考えが理解できたのでしょう。
耕書堂の女主人として腹を括ったのだと感じました。
耕書堂の新しい本を手にとった定信の心境はいかに…そんな蔦重が、定信に抗うために、定信の政策をおちょくった黄表紙、『文武二道万石通』『悦贔屓蝦夷押領』『将門秀郷時代世話二挺鼓』が出来上がります。
『文武二道万石通』(朋誠堂喜三二作)は、定信の「文武!文武!」と、武士に学問と武芸の両方に励めというお達しを茶化すような内容。