『べらぼう』ブチギレる蔦重、暴走する定信…実は”表裏一体”な二人が守ろうとしているものは?【前編】 (5/8ページ)

Japaaan

けれど、保身のために無難な本を出すのは恥ずべきことと、自死した春町に申し訳ないと言い返す蔦重に、春町の本意は「蔦重や仲間たちに累が及ばないと考えたのだ」とていは反発。

ていの言っていることは確かに「正論」です。耕書堂という店や従業員、夫・蔦重、クリエーターたちをお上の厳しい目から守りたいという思いは、女主人として当然でしょう。

けれども、子供の時から女郎たちを間近で見て育った蔦重とていとでは、吉原に対する思いは異なります。蔦重は、花魁だったのに病で河岸女郎に身をやつし、亡くなって投げ込み寺に放り投げられた朝顔(愛希れいか)の最期は忘れられないはず。

幼馴染の愛する瀬川(小芝風花)に「吉原をいいところにする」「女郎がみんないい身請けされて晴れて大門を出ていける場所にする」と誓ったことも。

その思いがあるからこそ、お上の倹約だけの締め付けでは所詮は一番弱い者に皺寄せがいく事実に怒りを持ったのです。ここは、日本橋育ちのていとは異なる部分。蔦重の「なんとかしなければ」という焦燥はわからないかも知れません。

そんな蔦重の考えを理解できていたのは、やはり歌麿(染谷将太)でした。

「田沼様、源内先生、春町先生、信之介……命を失っていった人々の思いを蔦重は背負っていきている。それが大変でもそれが生きているってことだ。」
「倹約、倹約と締め付ければ、結局、それは一番力の弱いものにしわよせが来てしまう。」という歌麿。

夜鷹の母親の元で育ち虐待を受け、自らも体を売って生きてきて、きよ(藤間爽子)と一緒になり「きよも安く体を売らなければ生きてこれなかった」ことを知っている歌麿だからこそ、分かるのでしょう。

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