『べらぼう』歌麿の欲からひらめいた!「男女」を超越し愛する蔦重の仕草で誕生したあの美人画【後編】 (3/8ページ)
そんな歌麿に蔦重が依頼したかったのが、女性の顔をクローズアップして胸から上だけの『大首絵』。そこに、当時江戸で流行っていた『観相学』(顔立ちから、性格・気質・運命・才能などを判定する)を組み合わせるというアイデアを入れた絵です。
歌麿に会いに釜屋伊兵衛の家を訪れた蔦重ですが、歌麿は、けんもほろろという態度。
「もう一度絵を描いて、当代一の絵師」になるよう説得する蔦重に
「私のためのように言いますけど、つまるとこ、金繰りに行き詰まっている蔦屋を救う当たりが欲しいってだけですよね。あわよくば、私を売り出すことで蔦重ここにありってのを見せつけたいってのも。」
と冷めた言葉を投げつける歌麿。蔦重の願いは、自分の店や自身をもう一度花咲かせたい“我欲”だろうと突っぱねます。
ここまできつい言葉を投げつけらるのも、きよの亡骸から引き離されたことだけではないはず。
ていと結婚して以来、「今までは、自分(歌麿)を一番に頼ってくれていたのに、結婚してからは、“もうお前はお役御免だよ”というような、蔦重の態度にも不満や寂しさを感じていた」から、その思いが爆発したのだと思います。