『べらぼう』歌麿の欲からひらめいた!「男女」を超越し愛する蔦重の仕草で誕生したあの美人画【後編】 (5/8ページ)
さっそく家で美人画にとりかかる歌麿ですが、このプロセスが見どころでしたね。最初に描いたのはあまりにもリアルな、女性のしかめっつらやふくれっつらで、おもしろいけれどもリアリティがあり過ぎる絵。
「いや、もうちょっと、美人画っぽく」と蔦重のリテイクをくらい、徐々に表情のある美人画へと変わっていきます。
さらに「つい目をひかれて、じっと見つめてしまう絵とは?」と話をしている最中、歌麿は、ふと、蔦重が煙管に火をつける仕草に目を奪われてます。
煙管に火を付ける仕草というのは、男でも女でも、一瞬その一点に集中した表情になり小首を傾げる仕草になるので、艶っぽさや色っぽさ(人にもよりますが)を感じるもの。
それをあの「国宝」を演じた横浜流星さんが、流れるような美しい所作でやって見せるので、これは歌麿でなくても見惚れてしまうはず。
蔦重のその仕草を、じっと見つめているときの歌麿の表情が見どころでした。
がさつな滝沢瑣吉(曲亭馬琴/津田健次郎)が歌麿のことを「あれは男色だ」と言ってましたが、そんなに単純な想いではないでしょう。