『べらぼう』二人の固い絆が切れた──歌麿にとっての”招かれざる客”は愛する蔦重だった…【前編】 (2/6ページ)
誰にとって、誰が「招かれざる客」なのか
『招かれざる客』とは、不穏で意味深なタイトルでしたね。いったい、「誰にとって、誰が招かれざる客」なのか。
たとえば……
松平定信(井上裕貴)にとっては、「オロシャの船」。
蔦重にとっては、歌麿の心情を惑わせる、西村屋(西村まさ彦)と二代目で鱗形屋(片岡愛之助)の次男・万次郎(中村莟玉)。
耕書堂にとっては、「歌麿の美人大首絵に観相学用語を入れるな!」と、クレームを付けに来た観相家(田中裕二)。さらに、絵が爆売れした影響で物価があがり「ふたたび“田沼病(贅沢をする)の再現か」と懸念する松平定信(井上祐貴)による「絵に娘の名前を入れるのは禁止」令。
このように、歌麿にとっての「招かれざる客」は“二人”でした。
歌麿の美人画が爆売れしたおかげで、「これは商機!」と大量に看板娘のいる商人から注文を受けて、「これ全部描いてくれ」と発注を押し付ける蔦重。大量生産の無理筋な仕事は、「招かれざる客」でしかありません。