『べらぼう』恋心を秘めた歌麿と決別、初めての子との別れ…どん底に落とされた蔦重の悲劇【後編】 (2/8ページ)
松平定信(井上裕貴)の倹約令のおかげで、花魁たちの衣装も、以前の瀬川(小芝風花)がいたときや誰袖(福原遥)がいたときに比べるとずいぶん地味になりました。以前のように見栄を張って競うように大金を払う客も少なくなったとか。
花魁たちの絵を描き終わった歌麿が、ふと目を惹かれたのは三味線の手入れをしている化粧っ気のない遣り手の女性。着物を片付ける若い男衆を、「昔はうちの人もこんなだった」と呟きながら見つめています。“うちの人の若い頃”に想いを馳せているのか、若い男衆に見惚れているのか。
そんな“恋心”を抱いた遣り手の女性に魅入られる歌麿。蔦重は、その女性の表情の変化に気づかなかったようでした。
その後、歌麿が描いた『寛政三美人』のおかげで連日大繁盛の茶屋の難波屋に訪れた二人。歌麿は看板娘のおきた(汐見まとい)より、お茶を運ぶまだ幼さの残る少女に目がいきます。
お盆に乗せたお茶を見つめながら「茶柱が立っていないから、今日は来ない」と呟き表情を曇らせている少女。ところが、ある若い侍が通りかかるとぱあっと雲の切れ目から太陽がさしたように笑顔になります。彼に恋心”を抱いているのでしょう。歌麿は、その一瞬の表情に惹かれるのでした。