『べらぼう』恋心を秘めた歌麿と決別、初めての子との別れ…どん底に落とされた蔦重の悲劇【後編】 (6/8ページ)
そんな歌麿も切ないのですが、自分では大切にしてきたつもりの弟歌麿からの突然の別れに呆然とする蔦重も切ないものがありました。
蔦重に訪れた歌麿との決別と初めての子との別れ
蔦重は、「申し訳ないことに、知らぬ間に、不快な思いをさせた。いつの間にか籠の鳥を扱うにしていた。自分に長年付き合ってくれてありがたい。極上の夢を見せてくれてありがとう」というような内容の手紙を渡します。
歌麿の秘めた“恋心”には気が付かなかったけれども、兄としてプロデューサーとしては悪止めせずに、さっと身を引いて歌麿のこれからの活躍と幸せを願う内容でした。
これには、ネットでも批判する声が多かったよう。というのも、歌麿にとっては「こんなにあっさりと俺を諦められる程度の付き合いだったんだな」と思うに違いない文面だったからです。
けれど、筆者としては批判に対して「蔦重に分かれってほうが無理。ずっと弟だった存在なんだから。すぐに内省して相手の成功を願うしかない」という意見のほうに同感です。
前項でも書きましたが、視聴者は俯瞰して同時に歌麿と蔦重を見ていられた立場だから、歌麿の気持ちに寄り添いたくなるもの。けれど、蔦重にしてみれば、今まで徹底して弟、いい相棒としか見てなかった相手に、急に「恋心を抱いてるのかも?!」と気づくほうが難しい。