『べらぼう』恋心を秘めた歌麿と決別、初めての子との別れ…どん底に落とされた蔦重の悲劇【後編】 (3/8ページ)

Japaaan

NHK大河「べらぼう」公式サイトより

“恋心”を描いた大首絵で蔦重に想いを伝える

心に秘めた想いを持つ歌麿だからこそ気が付く、恋する女性の表情。その恋を可視化したのが歌麿の最高傑作ともいわれる、『歌撰恋之部』です。

実際の『歌撰恋之部』は、背景を紅雲母摺(べにきらずり)とした美人大首絵5枚揃いシリーズ。小首を傾げた女性、髪に手を当てる女性、なにげない仕草ですが、その女性の心の襞までを描き出そうとしている歌麿の観察眼や繊細さが伝わってきます。

ドラマでは、歌麿の家を訪れた蔦重に、「これは蔦重にだよ」と下絵を歌麿が差し出します。「おお、そうか」と受け取った蔦重に、「何描いたんだ」と問われて「恋心だよ」と答えます。

「すげえいい絵だけれど、こりゃ売り方が難しいな」と考え込む蔦重。「別に売って欲しいと思って描いたんじゃない」と答える歌麿に「じゃなんで描いたんだ?」と聞かれ「俺が恋をしてたから」と答えます。

「してたからさ」と過去形での答えに、「恋をしていたけれども、もうそれも終わった」という決別がこもっていました。

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