なぜ、モラハラは起き、どう向き合い、何が残るのか ー夫婦間のモラハラ(モラルハラスメント)に関する実態調査(第4報) (6/7ページ)

バリュープレス


「生理痛や悪阻で動けないとき、“お前が痛みに弱いだけ”と言われた」(20代女性)
「夫が知っていることを私が知らないと、“そんなことも知らないの?”とバカにするように言う」(50代女性)
「作った夕飯を捨てられた」(40代女性)

これらの体験は、身体的な暴力とは異なり、相手への信頼や尊重が少しずつ削られていく“心理的な摩耗”を映し出しています。
怒鳴り声や衝突のような激しさではなく、繰り返される小さな言葉や態度の積み重ねが、心の温度を冷ましていくのです。

モラハラの影響とは、関係が一気に壊れることではなく、日常の中で信頼や安心が失われていく過程そのものを指すのかもしれません。
そして、その失われたものの大半は、目に見えない“心のエネルギー”なのです。


5. まとめ


本調査を通して、夫婦間のモラハラには次のような傾向が見られました。

● モラハラは「ストレス」「疲労」「感情の整理の難しさ」から生まれることが多い
● 被害を受けた人の多くは「我慢」や「沈黙」を選び、その背景には恐れや諦め、そしてわずかな希望が入り混じっている
● 長期的には、会話の減少や精神的ストレスの増大など、関係の信頼や安心感がゆっくりと失われていく

調査から見えてきたのは、怒りの瞬間よりも、そのあとの「言葉のない時間」にこそ深い痛みが潜んでいるということでした。
「もう何も言っても変わらない」と感じる沈黙、
「どうにか理解してもらいたい」と願う気持ち。
そのどちらも、夫婦という関係の中で人が抱えるごく人間的な揺らぎです。

モラハラは、特別な人間関係の中でだけ起こるものではありません。
誰もが忙しさや不安の中で、ふと相手への思いやりを見失ってしまうことがあります。
けれど、関係が冷えきってしまう前に、「相手を責める」ではなく「相手を理解しようとする」ことが、小さくても確かな変化のきっかけになるのではないでしょうか。

怒鳴り声の後に残る沈黙。その奥に、まだ“関係を続けたい”という思いが残っているなら、そこにこそ再生の可能性があります。
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