『豊臣兄弟!』浅井三姉妹だけではなかった…姉川で全滅した“浅井四兄弟”の壮絶な最期 (8/9ページ)

Japaaan

深夜22:00ごろ)はかりに兄の雅楽助斎宮助か陣所へ行て明日討死とけん事は一定(いちじょう)なるへし今は遺恨もよしなし名残の盃をのむへしとて父尊霊を見たくは互の顔を見よとて目と目を見合せしはしか程は物をもいはす(言わず)有けるか雅楽助酒をこひ出し久しき郎等ともに出てのめやとて盃をめくらしたる(巡らしたる)はあはれにも覚えたり勇士たらん者は斯(かく)こそあらまほしけれといはぬ人こそなかりけれ……

※『浅井三代記』巻第十五「姉川合戦の事」

【意訳】此度の戦死者において、浅井雅楽助と斎宮助のほど哀情胸に迫るものはなかろう。

かつて野良田合戦(対六角)と御影寺合戦(対斎藤)の論功行賞が行われた場で、斎宮助が「我が祖父・大和守か、我が長兄・玄蕃允にまさる働きをした者はおるまい」と大言壮語した。

これを聞いた雅楽助が「歴戦の方々を前にホラを吹くものではない」と叱責すると、斎宮助は「公衆の面前で恥をかかせるとは、許せない」と激怒し、仲違いしてしまう。

しかし6月27日22:00ごろ、雅楽助は斎宮助の陣所を訪ね「明日は討死することは間違いあるまい。互いに思うところはあっても今は私怨を捨てて名残の酒を酌み交わそうじゃないか」と申し出る。

この言葉が胸に響いたか、斎宮助は雅楽助の顔をじっとのぞき込んだ。ことわざに「亡き父の面影を偲びたければ、兄弟互いの顔を見よ」と言うが、その通りである。

やがて雅楽助は持参した酒を取り出し、ご無沙汰していた郎党たちを集めて盃を交わす様子は、実に感慨胸に迫るものであった。

勇士ならば、このように清々しい気持ちで最期を遂げたいものだ。そう思わない者はいないだろう。

……先ほど紹介した死に物狂いの戦いぶりは、前夜に酌み交わした盃あればこそと思うと、より一層感動を覚えるのではないでしょうか。

終わりに

今回は姉川大合戦で討死した浅井四兄弟について紹介してきました。

大河ドラマ「豊臣兄弟!」第16回放送「覚悟の比叡山」では、長政が「……浅井雅楽助……浅井斎(斎宮助の略)……」と口にしていたのが印象に残っています。

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