地方医療は「治す」だけで維持できるのか、「点」から「面」への分かれ道 (3/3ページ)

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地域ごとに患者層、医療資源、救急搬送体制が異なるため、どこまでを一診療所で担い、どこからを専門医療機関につなぐのかという線引きが欠かせない。

地域医療を「点」から「面」に変えられるか

渡邉氏が今後の課題として掲げるのが、地域を「点」ではなく「面」で支える医療体制である。同氏は、同じ志を持つ医師とのネットワーク構築や人材育成、分院展開などを通じて、地域医療を継続可能な仕組みにしていきたいと話す。

安平町は、人口減少と高齢化という地域課題を抱える自治体である。町の公表資料でも、高齢化率の上昇や北海道胆振東部地震後の人口減少が課題として示されている。こうした地域では、医療機関は単に診療を行う場にとどまらず、住民の生活を支える社会インフラとしての役割を持つ。

予防医療の推進は、患者本人の健康維持だけでなく、介護負担や医療資源の逼迫を抑える可能性がある。ただし、それを地域全体の仕組みにするには、医療機関単独では限界がある。自治体、介護事業者、救急搬送体制、地域住民との連携が必要になる。

ただし、地域医療の再設計は短期的な成果が見えにくい。検査体制や医師ネットワークを整えても、住民の受診行動が変わり、発症予防や重症化予防の成果が見えるまでには時間がかかる。渡邉医院の取り組みが地域に定着するかは、個人の熱意を組織的な医療体制へ転換できるかにかかっている。

【取材/監修協力】
医療法人社団 並木会 渡邉医院
理事長 渡邉覚文氏
https://namikikai.net/



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