営業の事務作業はAIでどこまで減る? BtoB営業で進む「人とAI」の役割分担 (2/3ページ)
ただし、この数字は同社自身の運用結果であり、業界や商材、送信先などの条件によって結果は大きく変わる。
AIによる営業メールの効果を判断する際には、開封率だけではなく、返信率や商談化率、その後の成約まで含めて見る必要があるだろう。
なぜ「完全自動送信」にしないのかNudge HQの設計で特徴的なのが、メール作成などをAIが担う一方、最終的な送信判断は人間が行う点だ。
生成AIは短時間で大量の文章を作成できるが、内容が必ず正確とは限らない。企業情報の読み違いや、不自然な表現、相手との関係性に適さない文面が生成される可能性もある。
そのため同社では、AIが生成した内容を担当者が確認し、問題がなければ送信する流れを採用しているという。これは、効率だけを重視して完全自動化するのではなく、最後の判断を人間側に残す考え方だ。
一方、人間による確認作業を残せば、営業担当者の負担が完全になくなるわけではない。1日に数十件、数百件のメールを確認する必要が生じれば、今度は「AIが作った文章をチェックする仕事」が新たな負担になる可能性もある。
営業AIを導入する際には、自動化できる範囲だけでなく、人間が確認すべき部分をどこまで絞り込めるかも重要になる。

同社代表の原和真氏は、かつて個人宅向けのテレアポ営業を経験した後、人材業界で採用支援に携わった。
そのなかで、中小企業では営業や事務を担当する社員が採用業務まで兼任しているケースが少なくないことに気づいたという。
原氏は、「本来、採用は会社にとって重要な仕事ですが、そこに時間もコストもかけられていない会社は多い。大手との違いの一つは、採用専任の担当者がいないことです」と話す。