なぜ海難事故を防げたのか? 沖縄土着の霊能者「ユタ」インタビュー (1/5ページ)
前回お伝えした「海難事故を予知したユタのA氏」に、ユタについて色々と伺ってみた。私のような実証主義に偏った人間でも興味深く聞ける内容なので、オカルトに嫌悪感を持っている方にこそ読んでみて欲しい。
※ただし、以下はA氏の主観のみで語られている内容なので、同じユタという肩書を持つ人間でも、違う答えが返って来る場合があります。またA氏は沖縄の方言が強いため、解る範囲で筆者が標準語に直しています。もしかすると誤訳があるかもしれませんが、その点は予めご了承ください。
ーーそもそもユタとはどういう存在なんですか?
「一番近いのはシャーマンや霊能者かな? 今はどれだけ本物がいるか知らないけど、イメージとしては恐山のイタコとかね。カミサマから力を預けられたひとだよ」
ーーユタは沖縄にしかいないんですか?
「沖縄とか、あの辺りの島にしかいないみたいだね。それに沖縄から離れたら力がなくなると考えてるユタが多くて、あまり島から出て行きたがらないんだ。だから昔はユタは風土病だと言う説もあったんだよ。他には両親や祖父母から役目を受け継ぐ場合が多いから、遺伝子の病気で幻覚が見えてるだけだなんて言われることもあるね。昔は病院で色々な検査を受けさせられたひともいたそうだけど、脳の動きが普通じゃないってところまでしか解らなかったんだって」
ーーユタの役目とは何でしょう?
「カミサマから預かった力を、世のため人のために使うのがユタの役目。だから私利私欲のためだけに使う、例えばお金儲けとか、ひとを騙したりとか。そういうことをしたらカミサマに怒られちゃう」
ーーでもユタって料金設定がありますよね?
「そりゃ生活しなきゃならないから、お金を貰う場合もあるけど、あんまりふんだくるとカミサマが怒るよ。少しなら許して貰えるけど、あんまりたくさんはダメ」
ーーAさんの言うカミサマってどういう概念なんでしょう? 何か怖い目に遭わされるんですか?
「そりゃおっかないよ! 常にカミサマに見られてるし、神垂れの時に酷い目に遭ったもん!」
ーー神垂れ?
「ユタになる時って、まず神垂れ(カミダリ)が起きるの。