なぜ海難事故を防げたのか? 沖縄土着の霊能者「ユタ」インタビュー (3/5ページ)
気にしなきゃいけないモノと、気にしちゃいけないモノの区別の付け方とか」
ーー未来を予知して、それを変える事ができると考えてよろしいですか?
「違う違う! 未来を変えるなんて事は試すのもダメ。例えば100才まで生きるひとを50才で死なすとか、その逆とか、それはユタがやっていい範囲を超えちゃってる。ボクやボクの家族がやるのは、悪い何かが憑いてるなと思ったらお祓いをするとか、何かその人の人生の分かれ道が見えた時に、どういう道を選ぶべきかアドバイスをするとか、そういうところまで。事故の時は大変な事になりそうだったからお守りを渡したりもしたけど、それも未来を変えるんじゃなくて、あれ以上悪いものが寄らないようにするため。結局はボクのアドバイスを聞いたひとが自分で判断して良い選択肢を選んでくれないと何にもならない」
ーーそういえばユタは女性しかなれないと聞いた事があるんですが
「それは祝女(ノロ)とかじゃない? 琉球の神事をやってた巫女さん。でもも今は琉球という国がないから、その血筋のひとも在野に下りてるんじゃない? ユタは昔から男性もいたよ」
ーー根本的な話かもしれませんが、ノロとユタの違いって?
「どちらも神人(カミンチュ)だけど、祝女は琉球の儀式とか、そういう公のことをやるひとかな? ユタは市井で人々の相談を受けたりアドバイスしたりするひと。お役所と民間企業だよ(笑)」
ーーユタでお金を貰うのは制約があると仰ってましたが、それで食べていけますか?
「ユタは職業じゃないかもよ? 普段は自給自足の生活をしていて、ひとが訪ねてきたら見てあげるとか、普通に別の商売やってるひともいるし。ユタだけで贅沢な暮らしができてるひとは危ないかもね」
ーービジネス色が強いとカミサマに怒られるんですね?
「そうじゃなくて、そういうひとはユタかどうかわからない。本当にカミサマの力を預かっているなら、カミサマの言い付けに逆らえないはず。だからカミサマが絶対に怒るようなレベルの贅沢をしてても平気なユタがいたらおかしい。考えられるのは、そのひとはカミサマに怒られない立場のひと、カミサマから力を預かっていないひとってこと。