『ザ・レイド GOKUDO』ギャレス・エヴァンス監督&イコ・ウワイスにインタビュー (3/9ページ)
自分がこういった描写を好むのは、ジャッキー・チェンの「周りにあるものはすべて使う」という発想、そして韓国映画からの影響もあります。
韓国映画では鈍器を使った暴力描写が多く、例えば『哀しき獣』という傑作では、牛骨で人を殴るシーンがあります。これを鉄の棒でやっていたら、観客の感じ方は変わっていたと思うんですね。牛骨という奇妙な物体で殴るからこそ、より痛く感じられる。見たことのない、体感したことのない物であるほど、未知でインパクトがある分、見ている側の恐怖や痛みが増すんだと思います。
イコ:(監督に向かって)『悲しき獣』は超暴力的だよね。子供向けじゃない。
ギャレス:(イコに向かって)確かに子供向けじゃないけど、君のほうがもっとひどいことやってるよ(笑)。
――(笑)。イコさんにお聞きしたいのですが、そういった日常物や環境を利用したアクションではシラット特有のテクニックが活かされていたりするのでしょうか?
ギャレス:(イコさんに向かって)あの話、してあげなよ!
イコ:えー......。じゃあ、自分の経験上の話をしますね。
これは初めて話すんですけど、以前インドネシアで朝4時半くらいにタクシーを拾って、助手席に座ったんです。なぜか乗ってすぐなのにすでにメーターが動いてました。
最初は気づかなかったんですが、恐らく後部座席の下に人が二人潜んでいて、急に後ろから首へ何かを突きつけられたんです。反射的に反撃し、外へ出て、何発か打撃を見せてドアを蹴って閉めたら、逃げていきました。
去っていった後に足がすくむましたね。後から考えると、どうやら酔っぱらいだったみたいなんですけど......。