公開当時よりも今現在のほうが重みのあるディストピアSF10選 (4/7ページ)
■『鉄の踵(かかと)』ジャック・ロンドン著(1908)

ヒトラーの到来を予言した本とも言われる
『われら』同様、オーウェルの『1984年』に影響を与えた作品が、ロンドンの『鉄の踵』です。本書は、1912年から1932年の間に政権を握り、その後300年にも渡って支配し続けた圧倒的な金権政治について書かれており、中流階級を破壊し、人々を最大限妥当に見えるよう支配する悪徳資本家に関して警告しています。
■『ハリスン・バージロン』カート・ヴォネガット著

近年話題の「学芸会で全員主役」や「手をつないで徒競走」を連想させる?
全ての人間があらゆる意味で平等になった社会。標準的な人間はありのままの姿で生活することができる一方で、知能が他の人よりも秀でている人間は、その能力が発揮されないように妨害するハンディキャップの装置を付けることが義務付けられます。
作品に登場するジョージとヘイゼルは、自分で考えることを止め、取り憑かれたようにテレビを見ています。そんなジョージとヘイゼルの息子であるハリスンは、他者よりも美しく、才能に恵まれ、知能も高い為に多くのハンディキャップを負わされた上に刑務所に収容されていました。
ある日、ハリスンは人々が強制的に平等にさせられていることに異議を唱えて脱獄し、自分を押さえ込んでいる数々のハンディキャップを破壊し、同様に他の才能ある人たちも解放します。