【三沢光晴をめぐる証言vol.1】小橋健太インタビュー (4/8ページ)

日刊大衆

リングに上がったら、覚悟を決めて後悔がないように全力を尽くす。試合後に「今日は、なんちゅう試合をしてしまったんだ......」という思いだけはしたくなかったんですよ。勝とうが負けようが、全力を尽くしてやることが、自分の気持ちを維持できる理由だったんで。そういう思いがあったから、プロレスに集中し続けることができたんです。

──三沢さんとは「このままやってたら、どっちかが倒れるかもね」みたいな話もしていたらしいですね?

小橋 それは、どっちかが倒れる可能性はありましたよね。でも、リングに上がったら、三沢さんも俺も折れるわけにはいかないので。そういう気持ちの部分でつながっている以上、逆にこっちが折れたら「なんだよ、おまえ」ってなっちゃいますよね。

──「こっちは覚悟を決めて上がってきてるのに、おまえは降りちゃうのか」と。

小橋 そうなったら、三沢さんからしたら、「なんだよ小橋、覚悟が足りないんじゃないか」ってなっただろうし、もし三沢さんが途中で折れたら、「三沢さん、覚悟が足りなかったんじゃないですか」ってなってたと思うんです。三沢小橋っていうのは、「相手に恥ずかしくない試合をしたい」っていう思いが強かったんですよ。

──「相手に恥ずかしくない試合」ですか。

小橋 ブランドを汚したくないとか、そんなことじゃなくて。覚悟を決めてきた相手に「なんだよ、こんなもんかよ」ってガッカリさせたくなかったんです。そういう思いは、僕と(秋山)準との試合でもそうでしたよね。

──試合は一人ではできませんからね。そういう思いで、お互いを高めていってたんですね。

小橋 リングに上がったら、「お、おまえ、こう来たか」って思わせたいんですよ。だからこそ、何度試合しても、新鮮な驚きもあったんです。三沢さんとそういう話をしたわけじゃないですけどね。「前の試合を超えようぜ」なんて、一度も話し合ったことはないですから(笑)。言葉にはしなくても、お互いがそういう思いを持っているのはわかりましたから。

──そういった思いがぶつかって、90年代後半、四天王プロレスはひとつの極みに到達したと思いますけど、2000年にノアになってからは、マット界の状況も大きく変わって。

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