日本の3DCGが目指す先とは? 荒牧 神山監督が語る新『アップルシード』 (5/6ページ)
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本格的な銃の持ち方はもちろん、荒牧さん曰く「銃を構えたときの殺気がある」。デュナンの銃を持っての動きでは、細川さんが活躍する場面も多かったようだ。
一方で、話は作品からCG表現全般へと発展。「CGで女性のほうれい線を出すのはNG」など、美人・イケメンほどCGで表情をくずすのが難しいという、ならではのトリビアも語られた。
そんなCGと実写のボーダーへの言及のなかで、神山さんは「CG(アニメ)と実写では意味性が違う」とコメント。例えば、アニメはそもそもが架空の世界であるため、少し本物に近い描写を加えるだけで、“リアルに近づく”。一方、実写は現実をリアルに描写することで、かえって嘘が多くなってしまうという。
いまや素人でも簡単に動画を制作できる環境にある中で、ネット上には多くの面白い映像があふれている。それが単純な内容だったとしても、面白さや痛さも伝わってくる。そういった(あまり編集・演出されていないからこそ)リアリティの高い映像の一方で、実写でドラマ(作品)を撮ることの難しさがどんどん上がっているそうだ。「作品としてカット割りを用いることが、逆に“つくり物”という印象を与えてしまうこともあるのでは?」と、実写表現の難しさを語った。
神山さんが「映像におけるリアリティのデフレ」と称した現象には、制作環境の変化が影響しているようだ。要するに、技術の向上によって実写作品の可能性が広がる──すごい映像が撮れる──ほど、リアリティがなくなっていく。荒牧さんも映画『ゼロ・グラビティ』を例に出して、その意見に賛同しつつ、「そうなると、スマートフォンやGoProなどで撮影した素人作品のほうが、リアリティを感じられる」と、技術の進歩が招いたジレンマを明かした。