暇だからタイの男子大学生と束の間デートしてみた (9/9ページ)
でも所詮わたしはただの「困っていた外国人」で、彼にとっては助けてあげるべき対象でしかなかったのだろう。

そうして日本へ戻ってきた。東京の10月はタイと違ってひんやりしていた。「チェンマイ」という文字の入ったパンダのTシャツの上から、マウンテンパーカーを羽織る。同じ飛行機に乗っていた日本人たちが口々に「楽しかったね」と言いながら日常の生活へと戻って行くその姿を横目に、私はいつまでも窓から外を見ていた。タイ国際航空の飛行機でもらった蘭の花のコサージュが、彼のあの笑顔を思い起こさせるのだった。
