中小酒店保護は嘘っぱち!? 酒税法改正案は誰のためのもなのか (3/4ページ)

東京ブレイキングニュース

よって、価格競争という面では 「いまさら法律を改正する意味がわからない」 と言えよう。

 こうした経緯を見る限り、酒の規制緩和で最も得をしたのは、約4割のシェアを獲得し、資本の大きさから酒の低価格販売を実現できる大手スーパーだけである。他の酒屋からの鞍替え組が多いであろうコンビニや量販店には、それぞれ「値段が高い=コンビニ」「大手スーパーと比較すると品揃えが見劣りする=量販店」といった弱点があるため、成長の度合いが止まっており、いまさら大きなメリットがあるとは考えづらい。

 このようなデータや過去の事実から推測するに、規制緩和から10年以上経って政治家達が 「立場の弱い小売店を守るため」に、わざわざ法を改正するとは思えない。すでに酒の小売シェアの4割を大手スーパーが握っているのだから、この改正で誰が得をするかと言えば "無駄な価格競争をせずに済むようになる大手スーパー" なのである。私個人の見解というだけではあるが、今回の改正案に関して中小酒販店は「名前を使われただけ」で、実際には大手スーパーから議員に対するせっつきでもあったのではないかと邪知してしまう。

 最後に私事で申し訳ないが、私の一族は明治~大正初期に一山当ててブイブイ言わせていた酒問屋だった。私から数えて3代前のご先祖が日本橋の箱崎に店を構え、酒蔵と直取り引きをしたり、酒造会社を自前で持ったり、味噌醤油の流通を握ったりとあの手この手で財を蓄え、東京の酒問屋組合の理事を務めるなど「独占販売最高!」と、良き時代の恩恵を享受し倒した一族だった。

 だが、そんな一族であっても今や誰も酒屋も酒問屋も酒造業もやっていない。本家筋も不動産業などに転身してしまっている。その最大の要因が01年から始まった規制緩和だ。あれで酒の取り扱いを続けるだけ赤字という状況に陥り、だったら財産が残っている内に別の事業を始めた方がマシと、酒屋商売を諦めてしまったのだ。小売も問屋もかなり大規模にやっていた私の一族ですらそうなのだから、もっと弱い立場の小売業者はどれだけ悲惨な目に遭ったのか想像するに容易い。

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