菅原文太、松方弘樹…映画『仁義なき戦い』広島弁のシェイクスピア「魂の名台詞」 (2/9ページ)

日刊大衆

 最後は坂井の葬儀シーン。広能は祭壇に向けて銃を乱射し、山守に告げた。「弾は、まだ残っとるがよ」 見せ場である。だが、広能は敵を最後に殺さない。ここに『仁義なき戦い』の独自性がある。

 第2作『広島死闘篇』は、広能が服役していた頃に時計の針がさかのぼる。山中正治(北大路欣也)は刑務所で暴れ、拘束されたときに言った台詞がコレ。「ぶち殺しちゃる。ぶち殺しちゃるんど〜」 この「ぶち殺しちゃる」が山中の行動原理である。

 もう一人の主要キャラが大友勝利(千葉真一)だ。欲望最優先、狂犬のような大友は、究極の女性蔑視発言をぶちかます。「うまいもん食うてよ、マブいスケ抱くために生まれてきてるんじゃないの」 そして、こう続けた。「好きなようにやるだけじゃ」 自分の組を立ち上げた大友は、広島の大組織・村岡組を激しく攻撃する。

 一方、村岡組入りした山中は、大友組幹部を殺害し、逮捕されるも脱走。恩ある広能と酒席を共にした際、拳銃を指して言った。「わしの零戦よ」

 大友と刺し違える覚悟だったが、結局、警察に追われた山中は、その零戦で自決。山中の葬儀で、山守は広能に聞こえるように言う。「あの山中ゆうんは、シャンとしとったのお」 山守を象徴する、イヤミたっぷりの台詞である。

■小林旭や北大路欣也などの豪傑も

 第1作の純粋な続編は第3作『代理戦争』だ。村岡組の跡目を狙う幹部の打本昇(加藤武)は、神戸の大組織・明石組を後ろ盾につける。だが、村岡(名和宏)は組を山守組と合併させ、山守を後継者とする意向だ。

 これを村岡組の有力幹部、武田明(小林旭)と松永弘(成田三樹夫)から相談された広能は猛反対。

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